日本の医療とクリニック完全ガイド|保険・受診・救急(2026)
日本の医療制度を外国人向けにわかりやすく解説します。国民健康保険、クリニックと病院の違い、受診の流れ、処方、費用、歯科・妊娠・メンタル・健康診断までまとめました。
日本で医療を受けるときに知っておきたいのは、保険の種類、クリニックと病院の役割の違い、受診の流れです。日本に住んでいる人は公的保険で自己負担が約3割になり、紹介状なしで大病院にかかると追加の費用がかかります。制度のしくみから受診の流れ、費用、救急、歯科や妊娠・出産までまとめました。
制度の概要
かかりつけ医を通す決まりはなく、原則どの医療機関にも直接行けます。ただし大病院では紹介状が求められ、紹介状がない場合は選定療養費が加算されます。
| 保険 | 対象 | 自己負担の目安 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 自営業・学生・勤務先の保険がない人 | 原則3割 |
| 社会保険 | 常勤の会社員など | 原則3割 |
| 短期滞在(90日未満など) | 対象外になることが多い | 原則全額。旅行保険がおすすめ |
国保の加入と保険料
- 住所を登録したあと、区役所・市役所の国保窓口へ行きます(在留カード・パスポートを持参)
- 簡単な届出をします
- 保険証は即日〜1〜2週間で届きます。待機期間や既往症による除外はありません
保険料は、所得、世帯、住んでいる市区町村で決まります。同じ年収でも自治体が違えば金額が変わり、加入時に役所が計算してくれます。令和8年度の年間の上限は113万円で、所得が低い人は軽減を申請できます。支払いはコンビニ・銀行・口座振替でできます。
対象の例: 診察、検査(採血・レントゲン・MRI/CT)、手術・入院、処方、リハビリ、基本的な歯科治療。
対象外の例: 美容、多くの再生医療、個室の差額ベッド代、眼鏡・コンタクト、インプラント・ホワイトニングなど。
高額療養費: 1か月の自己負担には、所得に応じた上限があります。70歳未満で年収約370万〜770万円の場合、2026年8月から8万100円+αが8万5,800円+αに上がり、年間の上限も新しく加わりました。上限を超えた分は払い戻され、限度額適用認定証があれば、窓口での支払いそのものを上限までに抑えられます。
クリニックと病院の違い
| クリニック(診療所) | 病院 | |
|---|---|---|
| 規模 | 医師1〜5人程度の近所の施設 | 20床以上・複数の診療科 |
| 向き | 風邪、慢性疾患フォロー、軽傷、予防接種 | 重症、手術、救急、入院、高度検査 |
| 待ち | 15〜45分が多い | 混雑しやすい |
| 紹介 | 不要(ウォークイン可が多い) | 大病院は紹介状なしだと初診7,000円以上、再診3,000円以上を追加 |
119番を呼ぶ目安: 命の危険がある、大量に出血している、意識がない、心筋梗塞や脳卒中が疑われる、など。
受診の流れ
持ち物: 保険証、現金5,000〜1万円、身分証。日本語が不安なら、翻訳アプリを用意するか誰かに同行してもらいましょう。
- 受付で保険証を出し、問診票を書きます
- 初診料が加算されることがあります(1,000〜3,000円前後)
- 診察は5〜10分と短いことが多いです。わからないことは「もっと詳しく説明してください」と聞きましょう
- 会計で3割負担分を支払います
- 処方箋を院外の薬局に持っていきます。待ち時間は5〜15分、薬代は保険ありでおおよそ500〜2,000円です
保険ありの目安: 簡単な診察1,500〜3,000円、採血込み3,000〜5,000円、レントゲン込み3,000〜4,500円。
費用
健康保険があれば多くの人は3割負担で、上で紹介した月ごとの上限があります。保険がなければ全額負担です。同じ治療の値段は全国で決まっているので、クリニックによる差は小さくなっています。
救急
- 119番:救急車を呼べます。英語の「ambulance」と住所で通じることが多いです
- ジャパン・ヘルプライン 0570-000-911:24時間、英語で相談できます
- 公的な救急車の利用は無料で、病院での治療費は通常どおりかかります。茨城県では2024年12月から、緊急性がなかった救急搬送の患者に、大病院が選定療養費を求めています
東京で英語で救急を受けられる例:聖路加国際病院(03-5550-7166)、日本赤十字社医療センター(03-3400-1311)。夜間・休日の診療所は区の案内を確認してください。
歯科・妊娠・メンタル・健診
歯科: 検診・クリーニング・詰め物・抜歯・根管治療は保険の対象になることが多いです。ホワイトニング・ベニア・インプラント・ほとんどの矯正は対象外です。保険ありで、検診・クリーニングは2,000〜4,000円、詰め物は2,000〜5,000円程度です。
妊娠・出産: 母子手帳が交付され、妊婦健診は14回以上が一般的です。無痛分娩ができるかは施設によります。入院は産後5〜7日が多いです。正常分娩はまだ保険適用外ですが、出産育児一時金が50万円支給されます。2026年6月に、正常分娩を保険で無償にする法律が成立し、2年以内に施行されます。英語対応:聖路加国際病院、Women's Clinic Minami-Azabu(婦人科)。
メンタル: 精神科の診療は保険の対象になることが多く、カウンセリングは自費が多いです。TELL(03-5774-0992)、Tokyo Mental Health(03-6441-0969)。予約は早めに取りましょう。
健康診断: 会社の健診や区の案内で受けられます。内容は身長・体重・血圧・採血・尿・胸部X線、40歳以上は心電図などです。費用は5,000〜1.5万円(補助が出ることもあります)。人間ドックは3万〜10万円以上で、保険外が多いです。
予防接種: インフルエンザは3,000〜5,000円(保険外が多い)。渡航用のワクチンはInternational ClinicやTokyo Medical and Surgical Clinicなどで受けられます。新型コロナは公費の制度に従います。
市販薬の例: ロキソニン、バファリン、パブロン、ベンザブロック、アレグラ、クラリチン。用量は海外と違うことがあります。
医療機関どうしでカルテが自動で共有されることは少ないので、病院を移るときは紹介状を書いてもらいましょう。英語で受診できる施設の一覧は英語対応クリニックで紹介しています。
よくある質問
外国人も健康保険は必要ですか?
はい。3か月を超えて住む場合は、国保か社会保険への加入が原則です。短期滞在なら旅行保険に入っておきましょう。
受診料の目安は?
保険があれば3割負担です。保険がなければ全額負担で、検査や処方が加わればその分高くなります。
病院に直接行ってよいですか?
行けますが、紹介状なしで大病院にかかると選定療養費(初診7,000円以上)がかかります。ふだんはクリニック、救急は病院か119番を使いましょう。
処方はどうしますか?
処方箋を院外薬局へ。英語の用法説明を依頼できる店舗もあります。
持ち物は?
保険証、現金5,000〜1万円、身分証。再診は前回の結果や服用薬リストがあるとスムーズです。
歯科は保険対象ですか?
基本治療は対象。美容・インプラント・大半の矯正は対象外です。
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