おもてなしとは|茶の湯から東京オリンピック招致、働く側の議論まで
おもてなしは、茶の湯にルーツを持つ日本のもてなしの心です。言葉の由来、2013年のオリンピック招致での広まり、日常で見られる場面、働く側の負担をめぐる議論をまとめました。
おもてなしとは何か。言葉の由来、世界に広まったきっかけ、日常で見られる場面、そして働く側の負担をめぐる議論までをまとめました。
おもてなしは「日本のホスピタリティ」と訳されることが多い言葉です。そのルーツは16世紀の茶の湯にさかのぼり、2013年のひとつのスピーチで世界に知られるようになりました。
言葉の由来
おもてなしの考え方は、室町時代から安土桃山時代にかけて発展した茶の湯にさかのぼります。千利休が大切にしたとされるのが一期一会。その日の客との出会いを一生に一度のものと考え、細部まで心をこめて準備するという考え方です。
語源にはいくつかの説があります。「表裏なし(裏表のない心でもてなす)」から来たという説や、「もてなす」という動詞から来たという説が知られています。
世界に広まったきっかけ
日本の言葉だったおもてなしが世界に広まったのは、2013年9月7日です。アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、滝川クリステルさんが東京オリンピック招致の最終プレゼンテーションの中で「お・も・て・な・し」と一文字ずつ伝えました。同じ総会で2020年大会の東京開催が決まり、その後は観光キャンペーンの合言葉にもなりました。
日常で見られるおもてなし
コンビニ:袋の持ち手をお客さんに向けて渡す、両手で商品を受け取るなど、ていねいな接客がされています。
旅館:お客さんの名前を覚え、食事のタイミングを合わせるなど、一人ひとりに合わせたもてなしが受けられます(旅館の泊まり方)。
飲食店:頼まなくても水やお茶をつぎ足してくれますが、何度も声をかけることはありません。ほどよい距離感が大切にされています。
百貨店:ていねいな包装や、エレベーターでのおじぎなどが見られます(デパ地下ガイド)。
働く側の負担をめぐる議論
海外ではほめ言葉として語られることが多いおもてなしですが、国内では議論もあります。相手の気持ちを先回りして考えるサービスは、働く人の感情的な負担や長時間労働につながりやすい、と指摘する研究や報道もあります。
旅行者が受けるおもてなしが「うわべだけ」というわけではありません。ただ、観光の言葉としてのおもてなしと、働く人の日々の暮らしとしてのおもてなしは、同じではないことも知っておきたいところです。
欧米のホスピタリティとの違い
欧米:いいサービスへのお礼として、チップを渡すしくみです。
おもてなし:チップのしくみはなく、相手のことを先回りして考えるのはもてなす側です。
どちらがすぐれているということではなく、それぞれに考え方があります。
よくある質問
おもてなしとは何ですか? 相手が頼む前に気づき、チップを前提とせずに心をこめてもてなす、日本の考え方です。ルーツは茶の湯にあります。
語源は何ですか? 「表裏なし」から来たという説と、「もてなす」から来たという説が知られています。
どうして世界に広まったのですか? 2013年の東京オリンピック招致のプレゼンテーションと、その後の観光キャンペーンがきっかけです。
国内ではどんな議論がありますか? 働く人の感情的な負担や、長時間労働との関係が議論されています。
チップは必要ですか? 必要ありません。くわしくはチップのガイドをご覧ください。
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